Home » 太田龍の時事寸評 » 第二千五百十回


宇宙的共同体タワンティンスーユ。
その蘇生以外に人類が生きる道はない。(ワンカール著『ケスワイマラ人のスペインに対する五百年の戦争』より)

公開日時:2008年08月10日 23時28分
更新日時:2009年02月10日 20時52分

平成二十年(二〇〇八年)八月十日(日)
(第二千五百十回)

◯ワンカール著
「タワンティンスーユ - ケスワイマラ人のスペインに対する五百年の戦争」
から引用する。

邦訳「先住民族インカの抵抗五百年史 - タワンティンスーユの闘い」
(吉田秀穂訳、新泉社 絶版)

◯宇宙的共同体タワンティンスーユ

インカ人の生活は幾つかの共同体的な村々の中央集権化された組織であった。
それらは、タワンティンスーユと呼ばれた(タワ=4、スーユ=地域)。
このアイユの中のアイユは四つの地方から構成されていた。
コジャスーユ、チンチャスーユ、アンティスーユ、クンティスーユである。
南北は現在のコロンビアのカリからチリ南部のバルディビアまで、東西は
太平洋からアマゾンの密林まで広がっていた。
一万年以上の間、アンデスの人びとは成長した。
野生の果物を採取する集団から農耕、牧畜集団へ、そして宇宙の法則によって
科学的に組織されると共同体へと成長した。
......
農業共同体はこの宇宙の生き生きとした調和を把握したとき宇宙的共同体へと
成長した。それはすべての天体の収縮と拡張、すべての動植物の呼吸、
すべての心臓の収縮と拡張、そして........
それらの二つの契機がその振動において我われが知っている生命を維持する。
......
......
タワンティンスーユは、集団的に感じていた。宇宙のすべての生物は同じ要素
を持ち、相互に依存しているだけでなく、永久の螺旋的サイクル的進化過程に
あることで同じなのである。
存在しているもののすべては進化の違った時期にいる人種なのである。
......
......
我われは死に対する盲目的な恐怖とか、我われの交響曲全体の相互に交換できる
一音符に過ぎないことを知って心臓が破裂するような緊張とかは知らなかった。
我われは交響曲の中で各人がすべて無限の形態のひとつとして生きるであろう。
タワンティンスーユでは誰も自分が創造主であるとか、植物、動物、土地、人間
主人であるとか、感じたことはなかった。
......
......
我われの父「インディ」は「太陽」である。
我われの母「パチャママ」は「大地」である。
我われは我われのことを太陽の種族であると考えている。
......
......

(吉田秀穂訳『先住民族インカの抵抗五百年史』十六頁~十八頁)

◯ここでは、タワンティンスーユのもっとも基本的なことば、概念が説明されている。

◯タワンティンスーユ

◯コジャスーユ、チンチャスーユ、アンティスーユ、クンティスーユ

◯インティ

◯バチャママ

◯「アイユ」
これはきわめて重要なことばである。

◯この「アイユ」を理解することが、「タワンティンスーユ」を理解するための入門である。
しかし、ここでは省略する。

(了)


《注》

◎ワンカール(ラミロ)著 吉田秀穂訳

「インカの抵抗五百年史」新泉社、一九九三年刊(1000部) 絶版
四百十二頁、定価 五千二百円 プラス税

◎スペイン語原著は、一九七九年、一九八一年
三百七十五頁

◎スペイン語原著増補版は、二〇〇五年発行。

◎絶版中の吉田秀穂訳は、日本義塾出版部でコピー本販布中 
一冊四千円 プラス送料

 




Write a comment

  • Required fields are marked with *.

If you have trouble reading the code, click on the code itself to generate a new random code.
 

Home » 太田龍の時事寸評 » 第二千五百十回