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インディオ出身のモラレスボリビア大統領は、南米5カ国会議で、
カトリック教会は、ボリビア変革の敵だ、と公言した。

公開日時:2009年02月02日 23時42分
更新日時:2009年02月04日 00時46分

平成二十一年(二〇〇九年)二月二日(月)
(第二千六百八十六回)

〇Los Tiemposの記事(二〇〇九年一月三十一日付)の記事を以下に引用する。
(引用元:日本語抄訳)、(スペイン語全文

カトリック教会は「敵」

「カトリック教会の『お偉方』は、ボリビアの変革の敵だ」

南米5カ国の首脳が顔をそろえた社会フォーラムでの発言だ。
このフォーラムはグローバル化に対する地域の取り組みなどを話し合うため、
ブラジルで開かれた。
この場でモラレス大統領の口から出たのは、カトリック教会への批判だった。

この25日、ボリビアでは新憲法の是非を問う国民投票が行われ、承認が確定的
となっている。
この新憲法をめぐり、カトリック教会は反対の立場をとった。
新憲法ではカトリックを国教とせず、アイマラのパチャママなど地域信仰も尊重
するとの文言が入ったのだ。
一神教であるカトリックは、このボリビアの新憲法を「受け入れられない」と
判断した。

モラレス大統領はカトリック教会の「お偉方」の姿勢を「嘘と妬み、恐れ」に
あふれる、と切り捨てた。
その上で、これから社会的変革が進められるボリビアの今後において、「邪魔だ」
と語った。
カトリック教会は伝統的に、ボリビアの社会、時には政治に対する影響力を持つ。
モラレス大統領も就任以来、その影響力のもとで意見対立を起こしたこともあった。
しかし大統領が公に、カトリック教会を批判するのは異例だ。

この発言に対しカトリック教会は、「政治的発言を避ける」ことを理由にコメントを
出していない。


〇エボ・モラレスボリビア大統領は、ブラジルで開かれた南米五カ国首脳のフォーラムで、
カトリック教会はボリビア変革の敵だ、と言明したと言う。

〇我々は、既にワンカール(ラミロ・レイナガ)が
「タワインティスーユ、インカの抵抗五百年史、ケスワイマラ人のスペインに対する戦争」
(一九七九年)の増補第二版(二〇〇五年)、第四章その他の中で、

〇ローマ法王(ヨハネ・パウロ二世)がボリビアを訪問したとき、
ラミロは北米中南米のインディオを代表して、バイブルを法王に返却した
ことを知っている。

〇ラミロは、この五百年、キリスト教会とその聖書は、北米中南米のインディオに、
不幸と恐怖と地獄と虐殺のみをもたらした、として、法皇とキリスト教を弾劾し、

〇法王は、アメリカからバイブルを持ち帰れ!!

〇と法王に面と向かって、通告した、と。

〇そのとき、法王は、何一つ、言うことが出来ず、クライ(うなる)のみ、と。

〇このラミロの行動こそ、

〇この五百年の全米大陸のインディオ原住民の魂の叫びである。

〇全世界の「キリスト教徒」よ!!
汝等は、この犯罪の共犯者たることを知れ!!

〇汝等は、全人類、全宇宙生命の敵であることを知れ!!

〇カトリック教会をボリビア変革の敵である、と公言した!!

〇これはまあ、その通り、のようには見える。

〇しかし、ワンカール(ラミロ・レイナガ)のような立場でのインディオにとっては
さうではない。

〇ラミロは、
「タワインティスーユ、そしてその四つの地方の一つとしてのコジャスーユ」と、
「ボリビア」とは、全く異質なものである。

〇ボリビアは、「改良」も「変革」も出来ない。

〇それは、焼き尽くさなければならない。

〇そしてその灰の中からタワインティスーユは、よみがえると。

〇コジャスーユ(タワインティスーユ)と、スペイン帝国主義の占領地たるボリビアは
両立出来ない。

〇ラミロは、
モラレス大統領は、インディオ出身でありながら、「スペインの五百年に亘る
インディオ(ケスワイマラ人)に対する戦争」について語らない、とモラレス
大統領を批判する。

〇ここに、「アメリカ問題」の根本問題が存在することを、我々日本民族有志は、
認識しなければならない。

(了)


【注】

◎南米五カ国会議とは、

(1)ボリビア
(2)エクアドル
(3)ペルー
(4)ブラジル
(5)チリ

以上の国家によって構成されると記憶している。

 




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